STOCKNOIZ

日常のノイズをストックする

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最近気づいたことがある。
もしかして人間ってオレたちハトを捕まえようと思っていないのかもしれない。

まったく興味なくない?
前から薄々感じては
いたが、歩道の真ん中で菓子クズを突いていても人間ちは気にせず通り過ぎていく。この前は駅のホームで人間と鉢合わせてお互いにうろたえてしまったが、捕まえる素振りは全くなかったし、こっちが近づいていくと「ギャー!」と小走りで逃げて行ってしまった。もしかしてオレたちハトは嫌われているのかもしれない。なんかムカつく。
だが子供だけは例外だ。油断しているといきなり意味もなく追い回して
くる。一応逃げ惑うフリをするが、この儀式のような一連の流れがしつこくて厄介だ。

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 そこにインテリのハクセキレイがちょこちょこと来て言った。
オマエ何も知らないんだな。人間がオレたち野鳥を捕まえるわけがない
だろう。昔、情報通だった伝書鳩の子孫とは思えない。 
人間界では狩猟の適正化や鳥獣の保護を目的とした「鳥獣保護法」が制定されていて、許可なく捕獲すると1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、飼育すると6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられるのさ。そもそもハトは不衛生で嫌いって人間のほうが多いと思うが
 
そうだったのか。今まで一応警戒しながら過ごしてきたが無意味だったのか。
人間がオレたちを捕まえないとなると、長年の夢だった電車に乗って長距離
の旅ができるということか。毎年ツバメやマガモから旅の自慢話を聞かされてうんざりしている。 電車に乗るのは少しハードルが高いが全く問題ない。なぜならハトは「鳥獣保護法」で守られているからだ。いざ出発ー!
 
「えーお客様にお知らせいたします。ただいま車内にハトが侵入したため、係員が捕獲対応いたしました。安全の確認が取れましたので出発します。 プシュー」

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